景気回復の成果が殆ど上位1%の人たちに吸い取られた件

Great Gatsby curveの一件で名を馳せたMiles Corakが、Emmanuel Saezの最近の論文から以下の図を引用しているEconomist's View経由)。


この図によれば、米国の上位10%は所得の約47%を占有しているが、中でも上位1%の占有率は20%に達する。


またCorakは、論文で報告されている以下の結果も引用している。

  • 2010年には、実質家計所得は2.3%伸びたが、上位1%が11.6%伸びたのに対し、下位99%は0.2%しか伸びなかった。これにより上位1%は、景気回復の最初の年の所得の増加の93%を得ることになった。
  • 1990年代と2000年代の景気循環の違い:下位99%の所得は1993年から2000年には20%伸びたが、1993年から2000年2002年から2007年には6.8%しか伸びなかった。

Saezは、こうした違いが、クリントン政権時代(その時も高所得者層の所得は大きく伸びた)に比べて最近の方が上位層の所得の推移に注目が集まるようになった理由ではないか、と述べている。