かくも長き不在

13日エントリは思いがけないほど多くのはてぶを頂いた。そこではMRブログエントリでのSixoというコメンターのコメントのみ全文紹介したが、もう一人gwernというコメンターが日本についてコメントしている。13日エントリでは末尾で「Japanese companies seem to be really terrible at IT」という彼のコメントの一文のみ紹介したが、それを補強する材料としてgwernは自分のHPへのリンクも張っており、そこには以下のようなことが書かれている。

There is a curious lack of Japanese contributions in software technology. Japan has a highly educated population a good fraction of the size of US population (127m vs 300m), considerable indigenous R&D capability (albeit declining), long involvement in computing hardware, etc. Hence, if all were equal, one would expect something like a third of all major software packages written by Japanese or Internet services developed by Japanese, and so on. Instead, one notices almost a complete absence of such Japanese contributions. (To the extent one doesn’t notice this, one is engaging in base rate fallacy - Japan ought to be producing tons of globally popular software and its absence is very surprising.) In software, the only major contribution I know of is the Ruby programming language; I am continually struck by the almost complete absence of FLOSS in doujinshi media & the survival and massive popularity of closed-source software. The Japanese IT industry is fairly dysfunctional, ...
(拙訳)
ソフトウエア技術における日本の貢献の欠落は興味深い現象である。日本は、米国に対してそれなりの比率(1.27億vs3億)の高等教育を受けた人口を擁し、自国内での(低下しつつあるとは言え)顕著な研究開発能力を持ち、コンピュータのハードウエアには長期に亘って貢献してきた、等々の特長を有している。従って、他の条件が同じならば、主要なソフトウエアパッケージやインターネットサービスなどの開発のうち3分の1程度は日本によってなされていてもおかしくはない。しかし実際には、そうした日本の貢献はほぼ完全に欠落している(もしそれに気付かないとすれば、その人は基準謬論に陥っている――日本は世界的に人気のあるソフトウエアをごまんと開発しているはずであり、それが存在しないことは非常に驚くべきことである)。ソフトウエアにおいて私の知る限り、日本の主要な貢献はプログラミング言語Rubyだけである。FLOSSが同人誌メディアにほぼ完全に存在せず、ソース非開示ソフトウエアが存続し、かつ、大いに人気を集めていることに私はいつも驚いている。日本のIT産業はかなりの機能不全に陥っている*1

このほかgwernは、日本のネットの特殊性(匿名性の高さ、新聞が記事全文を出さない上にすぐに削除すること、Wikipediaが充実していないこと、等々)を、日本について論評した他のサイトを引きながら詳細にあげつらっている*2

*1:ここでリンクされている記事は、こちらの日本語ブログで紹介されている。

*2:ちなみにMRエントリの別のコメントでは、日本のアニメが韓国にアウトソーシングされていることにも言及しており、そちらの方面も詳しい人のようである。