雇用にとっては企業の規模ではなく年齢が重要

FT alphavilleの8/24エントリで、そう報告した論文が紹介されている。それによると、米国では小企業こそが雇用をもたらすと広く信じられているが、企業の年齢でコントロールするとその効果は消えてしまう、とのことである。


そのことは、以下の図に良く表れている。


これを見ると、従業員500人以下のスタートアップ企業が雇用全体に占めるシェアは3%に過ぎないのに対し、雇用創出におけるシェアは20%である。即ち、確かにこのカテゴリの企業は雇用創出に貢献していると言える。
しかし、同じ従業員500人以下の小企業でも、1-10年の若い企業では、むしろ雇用破壊の効果が雇用創出のそれを上回っている(そして、いずれのシェアも雇用のシェアに比べ大きい)。これは、「上昇か然らずんば退出か(up or out)」とも称される若い小企業の不安定性によるものである。
また、10年を超えた成熟企業では、小企業も大企業も、雇用、雇用創出、雇用破壊のシェアの関係パターンはほぼ同じである(即ち、雇用のシェア>雇用破壊のシェア>雇用創出のシェアとなっている)。


つまり、小企業が雇用を生み出しているのではなく、スタートアップが雇用を生み出しているのだ、というのが著者たちの主張である*1

*1:cf. 以前紹介したmacroblogやディーン・ベーカーの考察。