算後の肥立ちの改善策

米労働統計局長の解任騒ぎについて、サマーズが以下のようにツイートしている

Firing the head of a key government agency because you don’t like the numbers they report, which come from surveys using long established procedures, is what happens in authoritarian countries not democratic ones. This is surely not the most serious threat to our democracy that @realDonaldTrump poses, but it is the one closest to what we economists do. I don’t see how serious members of the economics profession can stay in his administration.
(拙訳)
長年に亘って確立された手順を用いた調査に基づき公表された数字が気に入らないからといって主要な政府部門のトップを解任するのは、専制主義国で起こることであり、民主主義国で起きることではない。これはトランプ大統領が我々の民主主義に対して突きつける最も深刻な脅威では確かに無いが、我々経済学者がすることに対してはそれに最も近いものの一つである。どうして経済学界のまともな一員が彼の政権に留まり得るかは私には理解不能だ。

ブランシャールも懸念を表明したが、同時に問題となった指標の改善策を提案している

Add me to the list of people who think that the firing of the BLS commissioner is extremely worrying, reminding one of the actions of the worst dictators of the past.
But, leaving aside my anger:
Given the size of the may/June revisions, shouldn’t BLS construct an additional index which combines BLS data and other sources (Linkedln, ADP, etc)?
I think only BLS can do it. While there exist private sector indices, they do not have access to not yet published BLS data.
(拙訳)
BLSコミッショナーを解任することは非常に懸念すべきことであり、過去における最悪の独裁者の行為を想起させる、と考える人の一覧に私も加えて欲しい。
しかし、私の怒りは脇に置いておいて:
5月と6月の改訂の規模を考えると、BLSは、BLSデータと他のデータソース(リンクトイン、ADPなど)を組み合わせるべきではないか?
それができるのはBLSだけだと思う。民間部門の指標は存在するが、彼らは公表前のBLSデータにはアクセスできない。

トランプは統計が民主党が有利になるように操作された、と主張しているようだが、日本でも政治的思惑によって統計数字は操作されている、という主張は時々なされている(例: カサアゲノミクスの内訳 - himaginary’s diary)。一方、タイラー・コーエンは手続きへの官僚的なこだわりが問題であり、そこに政治的思惑を見い出すのは誤り、と論じている。このコーエンの指摘は日本の統計にも一部当てはまるかもしれないが、ただ、日本で昨今明らかになった各種の統計不正、ならびに民間での不正数値の報告は、むしろ手続きをきちんと守らないことから生じたものが多いように見受けられる。そうした不正が、そもそも手続きに無理があったため已む無く生じたのか、あるいは単なる仕事の質の劣化かはケースバイケースだろうが、いずれも「無能で十分説明されることに悪意を見出すな*1」が当てはまる場合がほとんどではないかと推測され、一部で憶測されているような政治的思惑を見い出すのはやはり誤りのように思われる。