一昨年初めに紹介したサマーズ、クルーグマン、デロングの議論を、表題のブログエントリ(原題は「Economists' Models: Analysis Pumps or Filing Systems? And Do Countries with Reserve Currencies Need to Fear Solvency Crises?」)でデロングが振り返り、3人の考え方を4つのポイントでまとめている。以下はそのまとめを表にしたもの。
ポイント | サマーズ | クルーグマン | デロング |
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経済学者にとってモデルとは分析エンジンか、それとも単なるファイリングシステムか? 換言すれば、偉大で善良な人々が信じていることがまともでないという結論がモデルから出てきた場合、それを真剣に受け止めるべきか? | ファイリングシステム | 分析エンジン | 両方 |
レバレッジを掛けている主要な金融機関において対外債務が殆ど無い、法外な特権を持っている経済は、銀行や政府の債務不履行危機を恐れる必要があるか? | 然り | 否 | 否 |
レバレッジを掛けている主要な金融機関において対外債務が殆ど無い、法外な特権を持っている経済は、緊急時に、紙幣を刷って流動性に問題の無い状況に自らを持っていける能力を当てにし、かつ、その能力を市場参加者が認識していることを当てにすることができるか? | 否 | 然り | 然り |
企業の予想は道理に適ったものであり、自己矛盾の無い合理的期待均衡に近い状態の近傍ではないところに経済を押しやることはない、ということを前提としたモデル構築と分析を経済学者は行えるか? | 否 | 然り | 否 |