ポール・ローマーが部下の文章指導を厳しくし過ぎて世銀の開発経済総局(DEC)の管理職をクビになった、という話が話題を呼んでいるが(cf. タイラー・コーエン、コーエンがリンクしたブルームバーグ記事およびその邦訳)、ローマー自身が自サイトの「Romer Slaughters Kittens」と題した25日付けエントリで弁明染みたことを書いている(H/T Economist's View)。
It is no surprise that the Bank has its own homegrown insurgents ready to wage their version of asymmetric warfare. One of those ways is via rumors. Apparently the word is out that when I asked people to write more clearly, I wasn’t nice. And that I slaughter kittens in my office.
On the writing, mea culpa. The good news is that people are taking writing more seriously. Today, we presented the Global Economic Prospects report that we’ll release in June to the Bank’s Board of Directors. Two of them commented that they liked the tighter focus this year. After the Board meeting, the team that wrote the report said that it has 35% fewer words than last year’s report. When I pressed, one of the team members laughed and said that yes, the frequency of the word “and” is about 1.5 percentage points above the threshold I’ve set of 2.6%. This is a bit of a running gag, but still, a reminder that we will all be paying attention. I guess the insurgents missed the joke.
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Oh, yes. “Romer shows up, breaks some china, and is asked to leave the kitchen.” Isn’t this one of those “dog bites man” stories?
(拙訳)
世銀の中に、彼らなりの非対称戦争を仕掛けようとする銀行生え抜きの反乱分子がいたことは驚くに当たらない。彼らの戦法の一つは噂を利用するというものだ。私が人々にもっと明確な文章を書くように要望した時、態度が宜しくなかった、という話が出回っているようだ。あと、私はオフィスで子猫を惨殺していたとの由。
書き方について言えば、私に落ち度はある。良い話としては、人々が書くことをもっと真剣に考えるようになった。今日、我々は、6月リリース予定の世界経済見通しの報告書を銀行の理事会でプレゼンした。2人の理事は、今年の報告書は焦点が絞られていて気に入った、とコメントした。理事会の後、報告書を書いたチームは、昨年の報告書よりも単語が35%少なかった、と言っていた。私が問い質すと、チームのメンバーの一人は笑って、はい、「and」という言葉の頻度は、私が設定した2.6%の閾値を1.5%ポイントほど上回っていた、と言った。これはお約束の冗談みたいなものなのだが、それでも皆に注意を払うよう促す役割を果たしている。反乱分子は冗談を解さなかったようだ。
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はい、はい。「ローマーがやってきて、瀬戸物を幾つか割って、台所を出ていくように言われた。」 これって「犬が人を噛んだ」という話の一つなのでは?
ローマーは、自分の具体的な要求を世間に知ってもらうためか、世銀内部で立ち上げていたブログのミラーサイトを公開している。また、「皆が進歩を欲しているが、誰も変化を望んでいない(Everybody wants progress; nobody wants change)」と題した以前のエントリにリンクし、言わんこっちゃない、という捨て台詞でエントリを結んでいる。