中国のGDPの非加法性

北京大学HSBC経営大学院のChristopher Baldingが、中国の経済データのまやかしを自ブログで厳しく批判しているMarginal Revolution経由)。データが信頼できないことを明白に示す例としてBaldingは、以下の2つを挙げている。

  • 中国は2012年のGDP成長率が7.8%であったと発表した
    • しかし、30の省のうち7.8%を下回ったのは2つに過ぎず、その2省の人口比率は3.2%に留まる。各省の成長率の単純平均は11.1%であり、人口加重平均は10.8%である。
    • 省のGDP合計と国家のGDPの差は1兆米ドル近くであり、中国のGDPの10%に達する。
  • 民間住宅の消費者物価は、2000年から2011年の間に(年率ではなく)累計で8.1%上昇した。公式インフレ率でこれを「実質化」すると、17%の下落ということになる。
    • しかし、同じ期間に、35主要都市のアパートの質をコントロールした不動産価格指数は3倍に跳ね上がった。両者の相関が完全ではないにしても、実質住宅価格が下落したというのは信じ難い。

ブログエントリの最後でBaldingは、習近平に対し、数字を誤魔化すにしてもせめてもう少しばれにくくするように部下の統計学者に指示してはどうか、と皮肉っている。