前期比年率と前年同期比の違い

池田信夫氏が8/2ブログエントリで、前回消費増税時と今回消費増税時の実質GDP成長率の推移比較として以下のグラフを提示している。

このうち今回の2014/4-6月期はロイターの予想集計の前期比年率マイナス7.1%を用いているが、実績部分は前年同期比を用いているので、木に竹を接いだようなグラフになっている。このエントリに付いているツイッターを見てみると、既にこのことを指摘された方もいる:


では、今回の前年同期比はどのくらいになるのだろうか? 1-3月期の実質季調済みGDPは536122.3(単位:10億円)なので、536122.3*(1-0.071)^0.25を計算すると526341.7という数字が得られる。それの2013/4-6月期の525339に対する伸び率を計算すると、0.2%となる。従って、本来の前年同期比のグラフは以下のようになる*1


ちなみに前期比年率のグラフはこちら。


池田氏

一見してわかるのは、前回に比べて山が低く谷も深いということだ。山が高くて谷が深いのなら「駆け込み需要の反動」という政府の説明も成り立つが、今回マイナスになった分は増税以外の要因と考えるしかない。

と書かれているが、前期比年率のグラフで1-3月期から4-6月期への推移を見るとまさに「前回に比べて山が高くて谷が深い」状況になっていることが分かる。

*1:ここに書いたように実質前年比を計算するならば本当は非季調値を使うべきなので、実績部分は非季調値の前年同期比を用いている。