マルハナバチとしてのユーロ

26日にドラギECB総裁がユーロ安定のために何でもする、と発言して市場に波紋を広げたが、その中でユーロをバンブルビーに喩えている(Mostly Economics経由)。最初はトランスフォーマーの頼れる仲間にユーロを喩えるとはなかなか洒落た発言だな、と思ったが、そうではなく、語源のマルハナバチの方の話であった。

...I think the best thing I could do, is to give you a candid assessment of how we view the euro situation from Frankfurt.
And the first thing that came to mind was something that people said many years ago and then stopped saying it: The euro is like a bumblebee. This is a mystery of nature because it shouldn’t fly but instead it does. So the euro was a bumblebee that flew very well for several years. And now – and I think people ask “how come?” – probably there was something in the atmosphere, in the air, that made the bumblebee fly. Now something must have changed in the air, and we know what after the financial crisis. The bumblebee would have to graduate to a real bee. And that’s what it’s doing.
(拙訳)
・・・私にできる最善のことは、フランクフルトから我々がユーロの状況をどのように見ているかについて、率直な意見をお話することだと思います。
最初に私の頭に浮かぶのは、何年か前に人々が口にしていて、その後言わなくなったことです。即ち、ユーロはマルハナバチのようなもの、ということです。それは自然の神秘の話で、飛べるはずが無いのに飛ぶ、というものです。というわけで、ユーロは数年の間は非常に上手く飛ぶマルハナバチでありました。人々は「どうして飛べるのだ?」と疑問を感じたと思いますが、おそらく環境ないし空気にマルハナバチが飛ぶことを可能にする何かがあったのでしょう。しかし今やその空気中の何かは変化してしまったに違いなく、金融危機後にそのことが明らかになりました。マルハナバチは次の段階に進んで、本物の蜂にならなくてはならないのです。そしてそれこそが、今マルハナバチ=ユーロが取り組んでいることなのです。

マルハナバチが飛べるはずが無い、という話の詳細については、マルハナバチぐぐると関連検索キーワードとして「マルハナバチ 航空力学」が現われるので、その検索結果を参照されたい。


ちなみにReutersTVでは、リムスキー・コルサコフの「The flight of bumble bee」(邦題「熊蜂の飛行」)の曲に乗せて、ドラギ発言と専門家の解説をあしらった映像を提供している。