ナシーム・ニコラス・タレブが、ブラック・スワンに振り回されない世界を作る10の原則を提示している(Economist's View経由)。
- 脆いものは小さなうちに壊せ
- Too big to failの事態に陥るのを避ける。今の経済の仕組みでは、最もリスクが高いもの、即ち最も脆いものが最も大きくなってしまう。
- Too big to failの事態に陥るのを避ける。今の経済の仕組みでは、最もリスクが高いもの、即ち最も脆いものが最も大きくなってしまう。
- 損失を社会に押し付けて利得を民間が得る仕組みはNG
- 目隠ししてバスを運転して(ぶつけた)人たちに新しいバスを与えるな
- 大学、規制当局、中央銀行、政府、経済学者のいる各種機関が失敗を犯した。
- 大学、規制当局、中央銀行、政府、経済学者のいる各種機関が失敗を犯した。
- 「インセンティブ」ボーナスを受け取る人に原発と金融リスクのマネージメントを任せるな
- そういう人は利益を上げるために手抜きをする。
- ボーナスシステムの非対称性が今回の事態を招いた。報酬があるなら処罰もあるべき。
- 複雑性に対して単純性でバランスを取れ
- 注意書き付きでも子供にダイナマイトを与えるな
- 複雑なデリバティブは禁止すべき。
- 複雑なデリバティブは禁止すべき。
- 信頼に頼るのはポンツィ・スキームだけ。政府が信頼回復に努める必要は無い
- 複雑なシステムでは噂が噂を呼ぶ。政府が頑張ってももうどうにも止まらない。噂を信じちゃいけないよ。
- 複雑なシステムでは噂が噂を呼ぶ。政府が頑張ってももうどうにも止まらない。噂を信じちゃいけないよ。
- 禁断症状の出ている麻薬中毒者に薬を与えるな
- 老後を金融資産や過ちを犯しがちな「エキスパート」の助言に託すべきでは無い
- 壊れた卵でオムレツを作れ*1
- 皆で資本主義2.0へ移行しよう
- 壊れるものは壊れるに任せる
- 負債を株式に転換
- 経済や経営大学院のエスタブリッシュメントを重視しない
- 「ノーベル」経済学賞の廃止*2
- LBOの禁止
- 銀行家は本来の役目に立ち戻る
- 今回の事態をもたらした人々から賞与を取り戻す
- 確実性の乏しい世間の渡り方を人々に教育する
- 皆で資本主義2.0へ移行しよう
そうすれば、経済生活は実際の生物の環境に近くなる、即ち、会社は小さくなり、生態系は多様になり、レバレッジは無くなる、というのがタレブの意見である。銀行家ではなく企業家がリスクを取り、特にニュースになることもなく誕生と死滅を繰り返す世界こそが、ブラック・スワンに耐え得る世界である、とのことだ*3。