2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

検証用資産と弱いファクター

資産価格モデル関係のNBER論文をもう一丁。以下は、Stefano Giglio(イェール大)、Dacheng Xiu(シカゴ大)、Dake Zhang(同)による表題のNBER論文(原題は「Test Assets and Weak Factors」、ungated版)の要旨。 Estimation and testing of factor model…

ミスプライシング抜きのプライシング

というNBER論文をスタンボーらが上げている。原題は「Pricing Without Mispricing」で、著者はJianan Liu(香港大)、Tobias J. Moskowitz(イェール大)、Robert F. Stambaugh(ペンシルベニア大)。 以下はその要旨。 We offer a novel test of whether an…

成長痛?「収束への収束」へのコメント

アセモグルらが推計結果に疑義を投げ掛けたクレマーらの論文を、別の研究者が別の観点から似たようなタイトルのNBER論文で取り上げている。以下はRohini Pande(イェール大)とNils T. Enevoldsen(無所属)による表題の論文(原題は「Growing Pains? A Comm…

ユニバーサルベーシックインカムの総所得削減効果

について書かれた論文をマンキューが紹介している。論文のタイトルは「How Americans Respond to Idiosyncratic and Exogenous Changes in Household Wealth and Unearned Income」で、著者はMikhail Golosov、Michael Graber、Magne Mogstad、David Novgoro…

職のある失業、職の無い失業

タイラー・コーエンが、不況からの回復には金融政策だけでは限界があり、ある時点からは実体経済要因で話が決まる、という主張を7/8MRエントリで展開している。本ブログの6/13エントリで紹介した彼の議論の続きのような話だが、今回のエントリでも最近お気に…

開発政策がAK47から学べること

Mostly Economicsの表題のエントリ(原題は「What can development practice learn from AK47?」)やタイラー・コーエンが取り上げているが、南アフリカのシンクタンクThe Centre For Development and Enterprise(CDE)が開発経済学者のラント・プリチェッ…

非近代化:権力・文化の軌道と政治制度の動学

というNBER論文でアセモグル=ロビンソンが、経済発展が民主主義につながるという近代化論(modernization theory)が何を見誤っていたか、について論じている(ungated版)。原題は「Non-Modernization: Power-Culture Trajectories and the Dynamics of Po…

技術進歩、人工知能、包括的成長

というIMF論文をスティグリッツらが上げている(H/T Mostly Economics)。原題は「Technological Progress, Artificial Intelligence, and Inclusive Growth」で、著者はAnton Korinek(バージニア大)、Martin Schindler(IMF)、Joseph Stiglitz(コロンビ…

収束への収束?へのコメント

というNBER論文をアセモグルらが上げている(ungated版)。論文の原題は「Converging to Converge? A Comment」で、著者はDaron Acemoglu、Carlos Molina(いずれもMIT)。 以下はungated版の冒頭部。 Kremer et al. (2021) revisit how the global distribu…