回答者の一対評価を用いた様々な社会的距離行動の相対的コロナリスクに対する認識の推計

というNBER論文が上がっている。原題は「Estimating Perceptions of the Relative COVID Risk of Different Social-Distancing Behaviors from Respondents' Pairwise Assessments」で、著者はOri Heffetz(コーネル大)、Matthew Rabin(ハーバード大)。
以下はその要旨。

How do people compare bundles of social-distancing behaviors? During the COVID pandemic, we showed 676 online respondents in the US, UK, and Israel 30 pairs of brief videos of acquaintances meeting. We asked them to indicate which in each pair depicted greater risk of COVID infection. Their choices imply that on average respondents considered talking 14 minutes longer to be as risky as standing 1 foot closer, being indoors as standing 3 feet closer, and removing a properly worn mask by either party as standing 4–5 feet closer. We explore subpopulations and perceived nonlinear and interacted effects of combined behaviors.
(拙訳)
社会的距離を取る様々な行動を人々はどのように比較しているのだろうか? 我々は、コロナ禍の最中に、米英とイスラエルの676のオンラインの回答者に対し、知り合いとの会合に関する30対の短いビデオを見せた。それぞれの対について、どちらがコロナ感染のリスクが高いかを我々は訪ねた。回答者の選択は、彼らが平均的に、14分長く話すことが1フィート近くに立つこと、屋内にいることが3フィート近くに立つこと、片方の人が適切に着用されたマスクを外すことが4-5フィート近くに立つことと同じくらいリスクがあると認識していることを示した。我々はサンプルを分割して調べ、行動の組み合わせについての非線形で相互作用する効果の認識を追究した*1

*1:本文によれば、マスクの保護効果や咳・くしゃみの危険が屋内では高くなると認識されているほか、会話の長さによって1フィート近くにいる効果が違ってくる(30-60分の会話ではおよそ19分長く話すことに相当、5-20分の会話ではおよそ5分相当)。また、元々の距離が2-4フィートの場合と6-8フィートの場合を比べると、1フィート離れる効果が前者では2倍以上になる。