という主旨の論文「A global decline in research productivity? Evidence from China and Germany」をタイラー・コーエンが紹介している。以下はリンク先でまとめられている論文のハイライト。
- Replicates findings in Bloom et al. (2020) for China and Germany.
- Provides evidence for a decline in research productivity in both countries.
- Using firm-level R&D panel data for public and private firms spanning three decades.
- Strong decline in R&D productivity in China due to end of catch-up growth.
- Conclusion: ideas are not only getting harder to find in the U.S.
(拙訳)
- ブルームら(2020)の研究結果*1を中国とドイツで再現。
- 両国での研究生産性の低下の実証結果を提示。
- 官民の企業について30年に亘る企業レベルの研究開発パネルデータを使用。
- キャッチアップ成長の終焉に伴う中国での研究開発生産性の大きな低下。
- 結論:アイディアの発見が困難になっているのは米国だけではない。
以下はぐぐって見つけた6月時点のWPでの結果の表とグラフ。表ではアイディアの成長率*2をそれぞれ4つの代理変数(売上高、雇用、売上労働生産性、時価総額[GDPデフレーターで実質化、ただしドイツは私有企業が多いため時価総額の代わりに新製品売上高を使用])で計測した結果*3を示し、グラフではその分布を示している。
*1:本ブログでは以前WP段階の内容をDietrich Vollrathを引く形で2017/1/28エントリで紹介したことがある。
*2:2017/1/28エントリの記号を使えばΔI/I。
*3:2017/1/28エントリの記号を使えばSとαの変化率。ただし論文ではSは研究開発費、研究開発費を高技能労働者の名目賃金で割って求めた実効研究者数はS~と表記している。