侵略と浸食

クルーグマンがロゴフと出演した*1CNNの番組で述べた以下の言葉が話題になっているEconomist's View経由)。

Paul Krugman: ...If we discovered that space aliens were planning to attack and we needed a massive buildup to counter the space alien threat - and really inflation and budget deficits took secondary place to that - this slump would be over in 18 months. And then if we discovered, oops, we made a mistake there aren't actually any space aliens.

Ken Rogoff: So we need Orson Wells is what you're saying?

Paul Krugman: There was a Twilight Zone episode like this, which scientists fake an alien threat in order to achieve world peace. Well, this time we need it in order to get some fiscal stimulus.
(拙訳)

クルーグマン
・・・もし我々が宇宙人が攻めてくることを知り、その脅威に対抗するために大規模な防衛網を構築する必要があると分かったら――そうした問題に比べればインフレや財政赤字は二の次になります――この不況は18ヶ月以内に終わるでしょう。そしてその後、あれま間違えた、宇宙人なんていなかった、と分かったら…
ロゴフ
要は我々はオーソン・ウェルズを必要としている、ということですかな?
クルーグマン
トワイライトゾーンにそんなエピソードがあったんですよ、世界平和達成のために科学者が宇宙人の脅威をでっち上げる、というような話が。今の場合は財政刺激策を得るためにそれが必要になっているのです。


これを受けてタイラー・コーエンが、侵略が効果あるならば浸食も効果があるはずだ、なぜ日本では資本の減耗に対する更新投資が効果を表わさなかったのだろう、と書いている


ただ、実際に固定資本減耗のGDPに占める割合を描いてみると、90年までは10%台前半で推移していたのに対し、90年以降上昇し、20%を超えるまでになっている(下図;ratio1は1990年基準、ratio2は2000年基準)。

つまり、見方によっては資本減耗はGDPの下支え効果を発揮したのである。

*1:ただし両者とも生ではなく回線経由での出演。