米経済の雇用回復は時間との戦い?

Tim Duyが、CalculatedRiskによる下図を引用しながら、今後の雇用の見通しについて危機感を募らせている


米経済は、依然として前回のピーク時よりも非農業雇用者数が700万人少ない。今後毎月20万人ずつ職が創出されるという楽観的な予測に基づいても、前回のピークに到達するには35ヶ月掛かる*1。しかし、現在の景気拡大局面は、既に23ヶ月が経過している。ということは、拡大開始以来57ヶ月*2掛かって漸く失われた仕事を取り戻すことになる。


だが、戦後の景気回復局面の期間は平均59ヶ月に過ぎない


もし職の創出が毎月15万に留まるとしたら、前回のピークを取り戻すのに46ヶ月掛かることになる。これは拡大開始以来69ヶ月掛かることを意味し、平均期間を10ヶ月オーバーしてしまう。


直近3回の景気拡大は平均95ヶ月だったことが安堵の縁になるかもしれない。しかし、金融財政政策が協調してV字型回復をもたらす機会を逃してしまったように見える現状と、雇用が完全に回復する前に両政策が引き締めに転じるであろう先行きを考えると、その点について楽観的になれない、というのがDuyの見解である。

*1:しかも本来は前回のピークに戻るのではなく前回のトレンドに戻ることを回復と呼ぶべきなのだ、ともDuyは書いている。

*2:58ヶ月の誤り?