WapoのFive mythsシリーズで、米国の経済政策研究所(Economic Policy Institute)のHeidi Shierholzが失業について書いている。以下はその要約。
- 失業手当ては人々に職を見つけにくくする
- 失業手当は、そもそもは解雇された労働者が自分の技術と経験に見合った職を見つける息継ぎの時間を与えるのが目的。しかし、今は息継ぎというよりはライフラインになっている。
- 確かに失業手当を打ち切れば失業者は必死に仕事を探すだろうが、今はその仕事が存在していないのだ。
- 失業保険は景気回復に寄与していない
- 失業対策に金を回す余裕は今の我々には無い
- 民間部門は自分で失業問題を解決できる
- 確かに今年上半期に、民間雇用は平均して毎月10万近く増加した。しかし、2007年12月と2009年12月の間に失われた雇用は850万人に達する。
- 失業率はあと1年は10%近くに留まるだろう。CBO予測では、2013年には6.3%まで低下するとされているが、それでも2000年代前半の最悪期の6%より高い。
- たとえば5年で景気後退以前の水準に失業率を戻すには、毎月28万の雇用が必要となる。
- 失業率は不況の影響を受けた人々の数を把握するのに良い指標である
- 9.5%という失業率は、経済危機の影響を受けた人々の割合に遠く及ばない。たとえば、職探しを諦めた人や、フルタイムで働くことを望んでいるがやむなくパートタイムで働いている人を含んだ不完全就業率は16.5%に達する。そのほかにも、技術や経験に見合わない仕事にやむなく就いている人がいるだろう。
- 失業率からは失業の様々な分布が読み取れない、という問題もある。不況時には、少数民族や若年者や非熟練労働者が大きく影響を受ける。たとえば、現在の白人の失業率は8.6%だが、黒人の失業率は15.4%に上る。
- また、失業の高い時には給与の伸びも低い、という形での有業者への影響もある。