というNBER論文が上がっている（H/T Mostly Economics；ungated版へのリンクがある著者の一人のページ）。原題は「Regulating Artificial Intelligence」で、著者はJoao Guerreiro（UCLA）、Sergio Rebelo（ノースウエスタン大）、Pedro Teles（ポルトガル銀行）。
以下はその要旨。
We consider an environment in which there is substantial uncertainty about the potential negative external effects of AI algorithms. We find that subjecting algorithm implementation to regulatory approval or mandating testing is insufficient to implement the social optimum. When testing costs are low, a combination of mandatory testing for external effects and making developers liable for the negative external effects of their algorithms comes close to implementing the social optimum even when developers have limited liability.
（拙訳）
我々は、AIアルゴリズムが負の外部効果をもたらす可能性についてかなりの不確実性がある状況を検討した。アルゴリズムの導入について規制当局による許可を必要とすることや、テストを義務化することは社会的な最適化を達成するには不十分であることを我々は見い出した。テストの費用が低額な時、外部効果についてのテストの義務化と、開発者に自分たちのアルゴリズムの負の外部効果に対する責任を持たせることの組み合わせは、開発者の責任が限定的であったとしても、社会的最適化の達成に近いものとなる。
テストの費用が高額の時に莫大な犠牲を払ってテストを実施して社会的最適化を達成したのがジェイムズ・P・ホーガンの「未来の二つの顔*1」ということになろうか・・・。
*1:cf. 未来の二つの顔 - Wikipedia。
