イエレンがFRB議長を退任した後もFOMCに残すべき、とコチャラコタがブルームバーグ論説で訴えている。その理由として以下の4つを挙げている。
- 優れた専門性
- 公職に就く前は一流の経済学者で、それが彼女の政策に関する考えの強い基盤になっている。
- FOMCに過去13年間と1994から1997年まで在籍していたので、実務経験も豊富。
- 現在のFOMC理事に彼女に匹敵する人材はいない。また、FOMC理事の3つの空席(イエレンが去るのであれば4席)を埋めるに当たっても、党派を問わず、そうした人材は見当たらない。
- FRBの2つの使命についてのバランスの取れた見解
- インフレ抑制についてはFRBは自らの責任を強調してきたが、低失業率についても強い主張をする内部の声が必要。労働経済学を専門としてきたイエレンはそうした声を提供する。
- トランプの指名する理事はそうした見解を提供しそうもない。
- 銀行規制の継続
- トランプや彼の指名する人は、FRBや他の機関が課してきた2010年のドッド=フランク法以降の銀行規制を弱めたがっている。
- そうした反規制の動きは、新たな世界金融危機のリスクを高める。従って、そうした危険な動きを押し返せる人が中銀に存在することが重要となる。イエレンは直近のジャクソンホールのスピーチでまさにそうしたことを力強く行った。
- 悪しき慣行の打破
- 主な反対論としては、前議長がFOMCに留まったのは過去70年近くない、ということが挙げられよう。
- しかし、長年の慣行がすべて良いわけではない。もしその規範によってイエレンがFOMCを去らねばならないと言うならば、事実上、大統領が理事を14年の任期を終える前に解任するのを許すことになる。これはFRBの独立性に関する重要な法的保護を外すことに相当するので、そうした規範は崩されなければならない。