オブズフェルド「消費税はやはり引き上げよ」

オブズフェルドらがIMFブログで、日本における財政政策と金融政策の協調のあり方について論じている。おそらく後で日本語版も追加されると思うので、要点のみピックアップしてみる。

  • 財政と金融政策(および構造改革策)の協調は、包括性(相乗効果が存分に発揮されること)と整合性(共通の目標へのコミットメントによる長期予想の安定)の2つがポイント。
  • 日本の金融政策の低インフレ対策は、財政政策の非整合性――短期的な金融政策補助の必要性と、中期的な公的債務削減の重要性――によって妨げられてきた。
  • FTPLは消費者の政策予想に関して危うい仮定に立脚しており、国債が安全資産の地位を失って金融政策が財政の支払いを保証する、という政策の信頼性を損なう事態に陥る危険性を秘めている、
  • 消費税の二度に渡る延期は、整合性と信頼性という点で財政政策の効果を弱めた。
  • オブズフェルドらの提案は以下の通り:
    • 消費税は、財政の持続可能性を保証する中期水準に達するまで徐々に上げていく。
    • 必要に応じ、一時的な財政政策でその悪影響を相殺する。
    • これにより、インフレ期待は高まる。
    • 日本の消費税は、他のOECD諸国の付加価値税に比べて歳入水準が低いので、歳入を大きく増やす可能性を持っている。
    • 簡明性とそれによる構造上の利点のため、消費税の単一税率は維持すべき。