ジャネット・イエレンと4つの大きな不確実性

というWSJ記事(原題は「Janet Yellen and the Four Big Uncertainties」)でブルッキングス研究所のDavid Wesselが、イエレンが6日の講演で挙げた経済を取り巻く4つの不確実性をまとめている(H/T Economist's View)。

  1. 米国の国内支出は、「かなり顕著な世界経済の気流の悪さ」の中で、米経済の成長を維持することができるか?
    • イエレンの答えはイエス
    • ただし2つの懸念すべき動向:
      • 最近の企業の投資の弱さ
      • 先週の雇用統計
  2. 米国以外の世界経済の動向?
    • 海外からの金融面でのストレスは和らいだ。しかし世界の投資家のリスク志向は急変する可能性がある。
    • 中国は「かなりの難関」に直面しており、6月23日のEU離脱を巡る英国の投票は「経済に重大な影響をもたらしかねない」。
  3. 米国の生産性の伸びが弱い原因?
    • 経済学者の意見は割れているが、イエレンは「用心深い楽観主義」を標榜しており、生産性の伸びは高まるとみている。
    • 最近の生産性の伸びの弱さの原因は大不況の後遺症であり、イノベーションの速度の「明確な鈍化」はみられない、というのが彼女の意見。これはロバート・ゴードンの意見とは対照的。
  4. インフレはいつFRB目標の2%に達するのか?
    • 原油価格がまた下落傾向に戻ることがなく、米ドルが「顕著に」上昇することがなければ、今後1〜2年、というのがイエレンの回答。
    • 金融市場や、消費者や企業調査でのインフレ期待の低下傾向は懸念材料。「もしインフレ期待が本当に低下しているならば、私が予想するほど早くインフレが2%に戻るかどうかには疑問の余地が生じる。」