少し前に、テイラールールの法制化に反対する議論を紹介したが、そのうちのクルーグマンの1/31エントリにテイラーが反応し、表題のエントリ(原題は「Paul Krugman Pontificating on Policy Rules」)で概ね以下のようなことを述べている。
- クルーグマンは、テイラールールの歴史に触れた中で、大平穏期の金融政策が同ルールによって上手く描写されたことに異を唱えてはいないし、危機前に政策が同ルールから離れたことによって大平穏期が終焉を迎えたことにも異を唱えてはいない。彼が主張しているのは、乖離は僅かで、経済を悪化させるほどではなかった、ということである。しかし乖離は僅かではなく、経済が同様に悪化した1970年代に匹敵するものだった。その乖離と経済の悪化を関連付ける実証研究は数多くある。例:2007年に自分がジャクソンホールで講演した研究、Jarocinski and Smets、Ahrend。
- 完全な裁量よりはルールベースの政策が上手く行くことを示した歴史的な研究も数多あり、Journal of Economic Dynamics and Controlの最新号でその多くがレビューされている。ジョージ・シュルツ、アラン・メルツァー、マイケル・ボルドーもその旨を述べている。