CRAはサブプライム貸し出しを促さなかった

地域再投資法(Community Reinvestment Act=CRA)も金融危機の一因であった、という点を巡ってしばしば米国で論争が交わされるが*1、リチャード・グリーンが、その点について分析した論文を紹介しているEconomist's View経由)。


グリーンは論文から以下の図を引用している。

横軸は都市部の所得に対する各地域の所得の比率を40%から120%まで2%刻みで順に並べたもの、縦軸はその地域における一人当たりのサブプライムローンのオリジネーション件数である。CRAでは、対都市部所得比率が80%以下の地域に対する貸し出しに対し信用を供与するので、それがサブプライムローンの貸し出しを促進したならば、80%ラインの左側でグラフが跳ね上がって然るべきだが、そうなっていない、との由。


(ちなみに90%のラインは、CRAとは別に、ファニー&フレディに対して設定された貸し出し促進策に対応している)

*1:本ブログでもその話を何度か取り上げてきた。