コント:ポール君とグレッグ君(2012年第4弾)

一応拾っておきます(…もう少し話が広がると思ったが、あまり広がらなかった)。

グレッグ君(([http
//gregmankiw.blogspot.com/2012/03/taxing-carried-interest.html:title=自ブログでのリンク]。)):僕が経済顧問を務めているロムニー候補のファンドの成功報酬への税率の低さが問題になったけれど、これはそれほど自明な話では無いんだ。中古家屋を仕入れて修繕した後に販売し、売却益を得る大工のことを考えてご覧よ。(ガタの来た企業を買収して立て直した後に売却するプライベートエクイティも似たようなものだ。)その売却益にはキャピタルゲインの税率が適用されるけど、仮に修繕に費やした労働への報酬を通常の所得と考えてしまうと、税率が重くなる。難しい話だね。
ポール君
デロングの良く使う表現を借りると、共和党チームのためにプレイしているね

クルーグマンのリンク先のTNRブログ記事では、Alec MacGillisがマンキューの論説を取り上げ、マンキューの論旨を突き詰めていくと、要はキャピタルゲインの税率が通常の所得の税率より低いことが問題ということになる、と指摘している。さらに追記では、マンキュー自身がまさに以前のブログエントリでそう述べていたことを指摘している。
EconospeakのPGLは、このMacGillisの記事は自分と同じ見解をさらに強く打ち出したもの、として賛意を表している


また、Linda Bealeジェームズ・クワックも概ねMacGillisと同様の見解を示しているが、クワックはさらに以下の点を指摘している。

  • キャピタルゲインは投資への見返りなので、マンキューが挙げた例*1でも原則として区分けは可能。
  • キャピタルゲインの低税率はサプライサイダーによれば貯蓄を促進するためとのことだが、その論理からも区分けは可能。
  • マンキューの挙げた大工の例と実際のプライベートエクイティ(PE)の一つの大きな違いは、PEの成功報酬は、パートナーシップを組んだ場合の出資比率に応じた報酬と異なり、損失が出てもそれを被る必要が無い点にある。その点で、通常の所得に近いと言える。


なお、MacGillisは「writing in the Times, he did an impressive job of muddying the water around a question that truly is as as clear-cut as they come」とマンキューを皮肉ったが、クワックも「I don’t think you can do a better job than Mankiw does trying to defend the carried interest loophole. Which just shows how indefensible it is.」と揶揄している。

*1:マンキューは、大工自身が購入資金を手当てするパターン以外に、大工が出資者を募ってパートナーシップを組むパターンも例示している。