セントルイス連銀のジェームズ・ブラード(James Bullard)総裁が表題の理由を5つ挙げている(Mostly Economics経由;原題は「Why the Fed Is a Well-Designed Central Bank」)。
- FRBは中央銀行システムである。それはワシントンDCの連邦準備制度理事会と、12の地区連銀から成り立っている。この仕組みにより、金融政策に関する決定が国中に散らばった人々によってなされることになり、政治的ではなく経済的な理由によってそうした決定が下される傾向を強める。
- FRBの19人の政策決定者は、ポリティカル・アポインティと非ポリティカル・アポインティのバランスが取れている。理事会の7人のメンバーは、大統領によって任命され、上院によって承認される。12人の地区連銀総裁は各地の理事会によって選出され、その後に連邦準備制度理事会の承認を受ける。
- FRBの財政は議会からの自律性を確保しているが、経費を超えた収益は財務省に納付しなくてはならない。
- 議会は連邦準備制度理事会メンバーの任期を長期に設定し(14年)、地区連銀総裁については期差任期制を採っている。これにより、理事会は政治過程からの独立性をさらに保つことができる。
- 議会はFRBに政策行動に関する定期報告を求める。その代わり、議会がFRBの日々の活動に介入することは無い。
同連銀の年次報告書では、この総裁メッセージをさらにフォローする小論が幾つか収録されている。このような報告書が書かれたということは、現在の議会のFRB規制の動きに対する危機感が地区連銀レベルでも相当広がっていることの表れと言えるかも知れない。