Marginal Revolutionでアレックス・タバロックが冗談紙Onionの2/16記事の冒頭を引用している。同記事は、The Big Picture、WSJブログでも引用されており、結構話題になっているらしい。原題は「貨幣がただの象徴的な共同幻想にすぎないことを国中が認識するにつれ、米経済はきしみながら静止した(U.S. Economy Grinds To Halt As Nation Realizes Money Just A Symbolic, Mutually Shared Illusion)」。
以下はタバロックの引用部分の拙訳。
【ワシントン】今週、FRB議長ベン・バーナンキが予期せぬ実存主義的な発言をした後、米国経済は機能を停止した。その発言でバーナンキは、貨幣は実際には無意味で実体の無い社会的な構造物に過ぎないことを米国人にショックと共に理解させた。
・・・「現時点で金利を引き上げることは考えにくいが、FRBはもちろん適切に行動する。もし…もし我々が…」とバーナンキは述べた後、暫く沈黙し、用意された原稿を見下ろして、まったく信じられないというように頭を振った。「知っているかい? それは重要じゃないんだ。これ――このいわゆる『貨幣』と呼ばれているもの――は全然重要じゃないんだ。」
「これは単なる幻想に過ぎない」とバーナンキは大きく目を見開いて、財布から紙幣を取り出し、目の前にゆっくりと広げながら、付け加えた。「見てご覧。数字の印刷された価値の無い紙切れだ。役に立たないものだ。」
目撃者によると、金融委員会のメンバーは暫くびっくり仰天して押し黙ったまま座っていた。すると、オーリン・ハッチ上院議員(共和党、ユタ州)が叫んだ。「なんてことだ、彼の言うことは正しい。これはすべて幻想だ。そのすべて――貨幣、そして我々の経済全体――それらすべては虚構なんだ!」
そして、上院の会議室は叫び声に包まれ、議員や記者が出口に殺到した。彼らの去った後、通路には引き裂かれた紙幣の残骸が散らばっていた。
記事に添えられた写真(もちろん合成)はこちら*1。
写真のキャプションには、「『要は5枚の長方形の紙片にすぎない』と述べて、FRB議長ベン・バーナンキは「200ドル」の実際の価値を明らかにした」とある。
日本で同様の冗談記事を書くとしたら、どのような記事になるだろうか。白川日銀総裁が1万円札を広げ、「日銀にとってこの価値を守ることは、たかだか数百万人程度の雇用や生活を守ることよりもはるかに優先することなのです。雇用や生活のことは民間や政府で頑張ってください」とでも述べる感じだろうか…。
*1:[2010/9/13]jpgファイルのリンク先が無効になっていたことに気付いたので変更。