コント:ポール君とグレッグ君(2009年第14弾)

今回は言葉の使い方を巡っての争い。

ポール君
デロングがアラン・メルツァーを批判しているけれど、マンキューも以前メルツァーと同じことをやらかした。彼らは恥を知るべきだ。彼らは、オバマ政権の政策によってこれだけの数の仕事が創出された/救われた、という発表について、意味をなさない、と非難する。でもそうした発表は、「他の条件が同じならば」ということを経済学を知らない人向けに翻訳した発言に過ぎない。ブッシュ政権も同じようなことを何度も言ったじゃないか? 保守派の経済学者のこういった言動は、オバマ政権ではなく彼らにとって悲しいことだね。
グレッグ君
いつもなら僕はブロゴスフィアからの訳の分からない不当な非難には反応しないんだけど(人生は短いんでね)、ノーベル経済学賞受賞者からならば話は別だ。
以前書いたことをまとめると、僕は、以下のような発表は良いと思っている。
 A: 「我々の経済モデルによれば、景気刺激策が無かった場合、今より仕事の数はX百万少なかったと思われる」
でも、次のような発表は駄目だ。
 B: 「景気刺激策が救った、ないし創出した仕事の数を計測したところ、その数はXだった。」
経済学者はAのような声明は許容するが、Bは埒外だ。Bはモデルではなくデータに拠っていると主張しており、Aよりも強い内容になっている。残念ながら、政権発表ではこうした声明が良く見られるけどね(たとえばこれ)。