オバマは人選を間違えた?

デロングが、「自身へのメモ(Note to Self)」と題したブログエントリで、オバマ政権時代の経済対策の中核にあった2人に対して唐突に厳しい言葉を浴びせている。

Obama essentially turned monetary, fiscal, and housing policy over to two guys who were “calm down and hope for the best“ rather than “prepare for the worst“ guys: Ben Bernanke and Tim Geithner. Those were, in retrospect, disastrous choices—not because of what they did but because of their opposition to thinking well outside the box and preparing to deal with the worst case scenario’s. So when the “green shoots” of a strong recovery that both saw were not there at all—when they claimed the strong recovery glass was mostly full but in fact there was no glass—their position kept others who would have been preparing for the worst, and who might have been able to do better at dealing with the situation, from being able to take any effective action...
(拙訳)
オバマは、金融、財政、そして住宅政策を事実上2人の男に委ねた。その2人は「最悪の事態に備える」よりも「気持ちを落ち着けて最善の結果が得られるのを願う」タイプであった。ベン・バーナンキとティム・ガイトナーである。振り返ってみると、それは悲惨な選択だった。彼らが実施したことのためではなく、彼らが、型にはまらない自由な発想で最悪ケースのシナリオへの対処に備える、ということに反対したためである。そのため、全く存在しなかった力強い回復の「芽生え」を両者が目にした時――彼らが、力強い回復のコップはほぼ一杯になったと宣言したが、実際にはグラスなど存在しなかった時――、彼らがその立場にあったことによって、最悪の事態に備えていたであろう人、当時の事態にもっと上手く対処できたであろう人は、効果的な行動を取ることが全くできなかった・・・。


デロングはガイトナーについては以前にもちらりと厳しい評価を下したことがあったがバーナンキに対するここでの評価は2年前に書いていたことと真っ向から矛盾する気がする。あるいは「最悪の事態に備える」ことができた人として「親分」のサマーズを念頭に置いているのかもしれないが、イエレンのFRB議長就任時にサマーズに辛口の評価を下したクルーグマンに楯突くほどサマーズに肩入れしているわけでも無かったので、なぜ今になって突然このようなエントリを起こしたのか真意は不明である。
コメント欄では、RWというコメンター(ロバート・ワルドマン?)が、バーナンキはまだ分かるが、ガイトナーの政策をクリスティーナ・ローマーよりも優先したのは当時としても深刻なマネージメントの誤りだった、と述べている。