中韓のGDPと収束モデル

Antonio Fatásがブログで以下のような興味深い図を示している

この図で横軸は時間当たりGDP(ただし米国で基準化した値)、縦軸はその後5年間の時間当たりGDPの平均成長率である。対象は中国と韓国、期間は1980年から2018年で、最後のオブザベーションは2013-2018年に相当する。これを見ると、中国の直近値は、韓国の時間当たりGDPが同程度の時とちょうど上手く接続する形になっている。従って、中国は今後この図の韓国と同様の軌跡を辿ると考えられる。実際、2018年現在の中国の時間当たりGDPは米国の約20%に達しており、韓国がその規模の時の成長率は6%であった。これは現在の中国の成長率に極めて近い。
Fatasはさらに以下の考察を述べている。

  • この図からすると、中国の成長率は1980年代は過小で、2000年代は過大だった。
  • 1980年より前のデータを付け加えるとノイズが大きくなる(Fatasは実際にデータを付け加えた図も示している)。
  • ソローの収束モデルからするとキャッチアップが進むにつれ中国の成長率は低下していく。韓国はそのベンチマークとして最適。ただ、一人当たりGDPが米国の半分以下の国々の中で韓国は模範生だったので、このベンチマークは中国にとって楽観的な経路になっていると考えられる。