1週間ほど前に、ツイッター上で以下のようなやり取りを見掛けた。
https://twitter.com/cornwallcapital/status/601886936605700098:twitter
https://twitter.com/nonowa_keizai/status/602303930521952256:twitter
https://twitter.com/yhakase/status/602306214618234880:twitter
一方、5/18日付の日経朝刊のエコノフォーカスには以下の記述がある。
国交省によると、鉄筋工や左官などの技能労働8職種の3月の過不足率は、北海道や北陸に次いで東北も過剰に転じた。全国平均ではまだ不足状態だが、2014年3月をピークに不足率が縮小している。
14年の建設業の現金給与総額は1.4%増と、全産業平均の0.8%増を上回る高い伸びだ。月額では37.6万円と、全産業平均の31.6万円よりも6万円高い。賃金の上昇で人手を確保しやすくなった。建設業で働く人(常用雇用者)は3月時点で前年同月比3.6%増の276万人と、全産業平均の1.9%増を大幅に上回る。
3月の建設業の有効求人倍率はピークを超えたが、2.9倍となお高水準が続く。民間の建設需要が顕在化すれば、再び人手不足感が強まる可能性も否めない。
記事では「技能労働8職種の3月の過不足率」のグラフも示しているが、概ね同様のグラフを建設業界の人手不足状況を長期的にグラフ化してみる(2018年11月分まで)(最新) - ガベージニュースで見ることができる。
ののわさんのツイートの有効求人倍率と現金給与総額の1年前からの変化は、直近の3月時点のものと思われるが*1、一時点の変化幅/率であるほか、昨年の3月には消費増税前の駆け込み需要という特殊要因が働いていた可能性もある。そこで、過去2年間に時系列的にどのように推移していたのかを見てみた。
これを見ると、建設関係の有効求人倍率の前年からの伸びはむしろ一昨年末にピークを迎えていたことがわかる。
建設関係の内訳はこちら。
建設躯体工事の有効求人倍率の伸びが突出して高かったことが分かる。
では、こうした有効求人倍率の高まりは給与の上昇に結び付いていたのだろうか? 現金給与総額の季節調整済み指数の推移を描画してみると、以下のようになる*3。
これを見ると、建設業の昨年7月の伸びが顕著に高かったことが分かる。ただ、これは夏のボーナスの伸びを反映しており、有効求人倍率の高まりとの関係は明確ではない。その点で、人手不足が給与を押し上げた、ないし、給与上昇によって人手不足が解消した、という直接的な関係がデータに如実に表れたとは言い難いように思われる。