をKathleen Geierというシカゴ在住のライターが自ブログで挙げている(H/T Economist's View)。
- 世界経済の不平等を計測するのは非常に困難
- 各国が実施する国別の調査はあるが、世界規模の統一的な所得に関する家計調査は存在しない。
- 国別調査は質や質問や手法が標準化されていない。さらに以下の問題がある:
- 経済的不平等の研究の重要なソースはルクセンブルク所得調査と世銀の2つ。いずれの調査も国際データの調整手法を発達させてきた。ルクセンブルクデータは中高所得の比較的少数の国に対象が限られるが、データは詳細。世銀はもっと多くの国をカバーしているが、データはそれほど豊富ではない。
- 完璧なデータは存在し得ないが、世界の不平等の件に関しては、データの質と調査手法はいつにも増して問題となる。この論文参照。
- 経済的不平等を計測する最も一般的な方法はジニ係数であり、同係数は値が大きいほど不平等が大きい
- 0が完全な平等で、1が完全な不平等。実世界のジニ係数は、.20台前半から.70台前半の間(from the low 20s to the low 70s)に分布している。
- 0が完全な平等で、1が完全な不平等。実世界のジニ係数は、.20台前半から.70台前半の間(from the low 20s to the low 70s)に分布している。
- 中南米は世界で最も不平等な地域であり、北欧ならびに中欧各国は最も平等であり、米国は世界で最も不平等な先進国に属する
- 不平等問題の専門家で世銀の経済学者であるブランコ・ミラノヴィッチ(Branko Milanovic)*2によると、
- 国際的な経済的不平等は、いかなる国内的不平等よりも顕著に大きい
- 全世界のジニ係数はおよそ70で、どの国の値よりも大きい。
- 最も富裕な5%の国が世界の所得の37%を得ている半面、最も貧しい5%の国が得ている所得は世界の所得の0.2%に過ぎない。
- 世界の不平等は産業革命から第二次世界大戦終了までの間に急速に上昇した後、その高い水準で平原状態に達し、今に至る
- 現在においても世界の不平等を計測するのが困難であることに鑑みると、歴史的推移を追うことの難しさは容易に想像がつくが、そうした試みは存在する。
- 現在においても世界の不平等を計測するのが困難であることに鑑みると、歴史的推移を追うことの難しさは容易に想像がつくが、そうした試みは存在する。
- 百年前は、階級が世界の不平等の3分の2以上を説明し、国同士の経済格差による説明力は3分の1以下に留まったが、今日では、その割合は逆転している
- 過去数十年間、多くの国において国内の不平等度は増したが、世界の不平等度は基本的に変わっていない
- 最近、幾つかの国では世界的潮流に反して経済的不平等を減らすことに成功した
- 世界の経済的不平等を気にすべき説得力のある理由は数多く存在する
- 多国間の分析によって、高水準の不平等が社会的可動性の欠如に結び付き、持続的な経済成長と両立しないことが明らかになっている。
- 経済的不平等は温暖化問題を悪化させ、世界的疫病の流行に寄与するほか、国際緊張を高めて世界の貧困を減らそうとする努力を妨げる可能性がある。
- 道徳的、政治的問題。
- 世界の経済的不平等を顕著に減らすことは大いなる挑戦であるが、実現可能
- 国内の不平等と国家間の不平等の二正面作戦になるが、闘う手段はある。
*2:邦訳