という問いをダラス連銀のレポートが投げ掛けている(原題は「Will China Ever Become as Rich as the U.S.?」;Mostly Economics経由)*1。
その問いに答えるため、同レポートではこれまでの米国と他の国々との経済パフォーマンスを比較している。具体的には、2005年基準の一人当たり実質GDPを同年の購買力平価でドル換算した指標を用い、以下の3つのグラフを示している。
最初のグラフは、ある10年間の当初時点の一人当たり実質GDPを横軸、その10年間の成長率を縦軸に取ったものである。成長理論から予想される通り、所得が高くなるに連れ成長率は鈍化する。
次のグラフは、ある年のある国の一人当たり実質GDPを一つのデータポイントとして、横軸にその指標値、縦軸にその指標値の米国に対する比率を取ってプロットしたものである。グラフから分かるように、米国に近いところまで行ったデータポイントはそれなりにあるが、米国と並んだ、ないし超えた国はほとんど無い(なお、分析の目的に鑑みて、産油国、およびオフショアの金融センターの役割を担っている小国は予め対象から除かれている)。
最後のグラフは、上のグラフから米国を除くG7諸国と中国をピックアップしたものである。これを見ると、中国が米国に追いつく道程はまだ遠いことが分かる、とレポートは評している。
レポートでは、さらに以下の2点を指摘している。