2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

危険な哲学者・再訪・補足

前回エントリで引用したシンガーインタビューで言及されていた「飢えと豊かさと道徳」の原論文「Famine, Affluence, and Morality」がネットで読めることに気づいたので、インタビューでシンガーが「これ以上施したら当該の人物に恩恵を与えるのと同じくらい…

危険な哲学者・再訪

5年近く前に本ブログでピーター・シンガーを取り上げた1999年のニューヨーカー記事を紹介したことがあったが、同誌の別の記者(Daniel A. Gross)がシンガーにインタビューし、最後に当時の記事の取り上げ方について訊いている(H/T タイラー・コーエン)。 …

銃撃事件が子供たちに残す後遺症

について調べた2本の論文が今月初めにNBERに同時に上がっている。一つはMostly Economicsやタイラー・コーエンも紹介しているウトヤ島事件を扱った「Surviving a Mass Shooting」で、著者はPrashant Bharadwaj(UCサンディエゴ)、Manudeep Bhuller(オスロ…

黒死病の経済的影響

引き続き過去の疫病ネタ。以下はRemi Jedwab(ジョージ・ワシントン大)、Noel D. Johnson(ジョージ・メイソン大)、Mark Koyama(同)の表題(原題は「The Economic Impact of the Black Death」)のJournal of Economic Literature掲載予定論文(昨年8月…

1918-20年のスペイン風邪パンデミックを経済学者は如何に無視したか

というSSRN論文(原題は「How Economists Ignored the Spanish Flu Pandemic in 1918-20」)をブラジリア大のMauro Boianovskyとアントワープ大のGuido Erreygersが上げている(H/T Mostly Economics)。以下はMostly Economicsで引用されている論文の結論部…