第1弾や第4弾と同様、マンキューはクルーグマンを批判した論説をリンクしただけであり、しかもクルーグマンは反応していないが、一応拾っておきます。
- リンクされたヤニス・パレオロゴス(カティメリニ紙記者*1)のPolitico論説は「Beware of American econ professors! How Krugman, Sachs and Stiglitz led the Greeks astray.(米国経済学教授連にご注意! いかにクルーグマン、サックス、そしてスティグリッツがギリシャを迷わせたか)」と題されており、該当論説を紹介した同氏のツイートは「米国経済学部のスーパースター達がいかにギリシャの気違い染みた行為に口実を与えたかについての私の論説」となっている。
以下は論説からの引用。
Krugman, in a visit to Athens in April, said that structural reform did not really matter much for future growth. After the referendum was called, he urged Greeks to vote No, arguing that, especially after the imposition of capital controls, things couldn’t get much worse, and would probably get better, with a new currency Stiglitz also nudged Greeks in the direction of No, and Grexit.
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They should have the honesty to admit that in the hands of such men, an exit from the euro, which Greeks never voted for anyway, either in January or in July, would have been an unmitigated catastrophe, dwarfing the costs even of the bad deal struck on July 13. And they should know by now that the best hope of building the institutions capable of supporting long-term growth in Greece lies within the eurozone, not in the desperate disorder that would sweep the country outside it.
(拙訳)
クルーグマンは4月にギリシャを訪れた際に、構造改革は将来の成長にとってさして重要ではない、と述べた。国民投票の実施が決まった後、彼はギリシャ国民に否決を呼び掛けた。彼は、資本規制が課された後は特に事態がこれ以上悪くなるはずはなく、新通貨でおそらく事態は好転する、と論じた。スティグリッツもギリシャ国民に否決とグレグジットへの動きを促した。
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(チプラス、バルファキス、ラファザニスのような)現与党の人々の下でユーロを離脱した場合――いずれにしろユーロ離脱についてはギリシャ国民は1月にも7月にも投票したことは無かったのだが――、7月13日に決定された悪条件の取引でさえ大したコストと思えないような完全な破局が訪れることを、彼ら(米国のスーパースター経済学者達)は素直に認めるべきである。そして彼らは、ギリシャの長期的成長を支えることが可能な制度を構築する最善の希望はユーロ圏の中に存しており、ユーロ圏外に出た時に国を覆うであろう絶望的な無秩序の中には存在していないことをいい加減理解すべきである。