23日のエントリでは春の「Brookings Panel on Economic Activity」で提示されたクルーガーらの論文を紹介したが、同パネルで話題になったのはジョシュア・ハウスマン(Joshua K. Hausman)とヨハネス・ウィーランド(Johannes F. Wieland)によるアベノミクスの評価論文である(e.g. デビッド・ベックワースの反応[邦訳])。
この論文がエコノミストのコンセンサス予測を使っていることに対し、デロングが以下のように反応した。
I find myself with a considerably more optimistic assessment of Abenomics, in large part because I place more weight on the stock market relative to expectations of output growth. Expectations of future output growth are not assessments of the effects of Abenomics: they are, rather, assessments of economists’ forecasts of what the effects of Abenomics will be. The stock market increase, by contrast, is both an assessment of forecasts of what the effects of Abenomics will be–by people who, unlike economists, are putting their directly money on the line–and also something that changes the incentives that businesses have to invest and expand. The stock market along with expectations of future inflation is evidence of how Abenomics is working to some extent. Economists’ forecasts are not.
It would be very very nice if it did work.
(拙訳)
私自身はアベノミクスについてずっと楽観的な評価を下している。その大きな理由は、私が生産の期待成長率よりは株式市場に重きを置いていることによる。将来の生産の期待成長率はアベノミクスの効果の評価ではない。それは、アベノミクスの効果がどのようなものになるかについてのエコノミストの予測評価である。株式市場での株価上昇は、対照的に、アベノミクスの効果がどのようなものになるかについての予測評価――それも、エコノミストと違って自分のお金を直接賭けている人々による評価――であると同時に、企業の投資し拡大しなくてはならないというインセンティブを変化させるものでもある。株式市場および将来のインフレ期待は、アベノミクスがある程度機能しているという証左になる。エコノミストの予測はそうではない。
アベノミクスが本当に機能してくれればとてもとても良いことだろう。