昨日のエントリは思わぬほどたくさんのはてぶを頂いたが、そのエントリに書いた通り、それはUDADISIの2012年経済学論文ランキング（＝アクセス数ランキング）の第2位の論文である。今日は第1位の論文の要旨を紹介してみる：
We analyze the link between economic conditions and the quality of suicide terrorism. While the existing empirical literature shows that poverty and economic conditions are not correlated with the quantity of terror, theory predicts that poverty and poor economic conditions may affect the quality of terror. Poor economic conditions may lead more able, better-educated individuals to participate in terror attacks, allowing terror organizations to send better-qualified terrorists to more complex, higher-impact, terror missions. We provide evidence on the correlation between economic conditions, the characteristics of suicide terrorists and the targets they attack. High levels of unemployment enable terror organizations to recruit more educated, mature and experienced suicide terrorists who in turn attack more important Israeli targets.
（拙訳）
我々は経済環境と自爆テロの質との関係について分析した。既存の実証研究では貧困および経済環境はテロの量とは相関していないことが示されているが、理論的には貧困及び劣悪な経済環境はテロの質に影響するであろうと予測される。劣悪な経済環境は、より有能かつ教育程度の高い個人がテロ攻撃に参加することにつながる可能性があり、その結果としてテロ組織は、より優秀なテロリストを、より複雑で衝撃の大きいテロ任務に派遣することが可能となる。我々は、経済環境と自爆テロリストの特性および彼らの攻撃目標との間の相関に関する実証結果を提示する。高水準の失業率は、より教育程度が高く大人で経験豊富な自爆テロリストをテロ組織がリクルートすることを可能ならしめ、彼らはより重要なイスラエルの目標を攻撃することになる。
この論文のタイトルは「Economic Conditions and the Quality of Suicide Terrorism」で、書いたのはハーバード大学のEfraim Benmelech、ランド研究所のClaude Berrebi、ヘブライ大学のEsteban F. Klor。
