下には下がある

今月初めに、マンキューがサマーズのロイターコラムでの量的緩和への懐疑論紹介していた

該当コラムはロイターによって邦訳も提供されているが、その主旨は簡単に言えば次の通り。

  • 量的緩和の趣旨は国債の満期の短期化にあるが*1、通常、低金利はむしろ長期の借り入れを増やすチャンス。


このコラムにサムナーが反応し、長期金利はもう限界まで下がったと思ってもまだ下がることがある、と指摘したマンキューの先月末のエントリ(およびそこでリンクしている1年前のエントリ)を持ち出している*2。さらに、金利上昇を当て込んだスワップ取引でサマーズがハーバードに大損させた一件*3を報じた2009年末のブルームバーグ記事も持ち出し、「almost too good to be true」とはしゃいでいる。

*1:cf. このエントリで箇条書きにまとめたハミルトンの主張の第一項。

*2:それらのエントリでは、奇しくもサマーズの最近の論文の共著者であるデロングがそうした限界論者として批判対象となっている。

*3:cf. このエントリの末尾。