<中心的な流れ(3)>
○シングルインデックスモデル(Single Index Model)
ウイリアム・シャープ[William Sharpe “A Simplified Model for Portfolio Analysis (1963)”]
マーコビッツの方法では、最適ポートフォリオを求めるのにユニバースの分散共分散行列を計算する必要がある。→2次計画法
個別銘柄のリターンは、市場インデックスのリターンに比例する部分と、それ以外の部分から成り立つ。その比例係数をベータと呼ぶ。
ri=αi+βirm +εi
VAR (ri)=βi2×VAR (rm)+ VAR (εi)
βi=COV(ri ,rm)/VAR(rm)
εiは銘柄固有の要因であるので、銘柄間で独立であると仮定する。すると、ポートフォリオのリスクは
VAR (Σwiri)=[Σ(wiβi)2]×VAR (rm) + Σwi2VAR (εi)
右辺第1項をシステマティックリスク(systematic risk)、第2項をアンシステマティックリスク(unsystematic risk)と呼ぶ。
アンシステマティックリスクは、ポートフォリオの組み入れ銘柄を増やすとゼロに近づけることができる。すると
σp=STD (Σwiri)=SQRT (VAR (Σwiri))=βpσm
ただしβp=Σwiβi 、σm=STD (rm)
となり、最適化問題は線形問題に簡単化される。