バリー・リソリツがThe Big Pictureを2003年に立ち上げて以来書いたブログエントリが3万に達したのを機に、そこから学んだことをWaPoにまとめている(H/T Economist's View)。以下はその概要。
- 書くことは自分がどう考えるかを知る良い方法
- 書き始めるまでそのことについて何も考えを持っていないことが多い。
- 書くことはより優れた書き手になるのに良い方法(読むことも同様)
- 記事を長くすることは誰にでもできるが、簡潔で要を得た記事にするには技術が要る。他者の見方を取り入れること、あるいは取り入れないことも価値ある技術。
- 書くのに要する時間は、当初の頃の1/3になった。そのため書き直しの時間が取れるようになったが、編集者なら誰でも知っているように、良い記事と素晴らしい記事の差は書き直しに存する。
- 主流メディアはブログを無視し、ちょくちょくそこから剽窃したが、やがてその体裁を大々的に取り入れるようになった
- オンライン出版は(概ね)実力主義社会である
- 多くの経済や金融のブロガーは実力だけで名声を獲得した。家族や名門大学や大銀行のコネは無関係。
- 内容:創造性、批判、キュレーション
- 内容が重要。独自の内容に知的な批判とキュレーション(リンク集)を組み合わせることが自分にとっての成功の方程式。
- 「1、意味があると思う独自の成果をここに示す。2、あそこで書かれている話は間違っていて説得力に欠けるが、その理由は赫赫云々。3、これらの話は優れているのですべて目を通しておくべき。」というのは、過度に単純化はしているが、良いブログ記事の3部構成の構造。
- 読者コメントは無価値になった
- かつての読者コメントは素晴らしかった。「Bailout Nation」をオンラインで500語ずつ書いた時には、読者からのフィードバックや示唆には計り知れない価値があった。何千ものリサーチスタッフを抱えているようなもので、極めて有益だった。今やインターネットトロルなどのお蔭でその再現は望むべくもないが、それは残念なこと。
- (グーグル以外にとっては)広告はひどいビジネスモデルである
- ウエブサイトの普及により広告は安価になり、それで生計を立てられるのはごく一部に過ぎない。
- 著者対出版社
- 人々はどこに掲載されたかよりは誰が書いたかを基準に読む。
- とは言うものの、強力なプラットフォームは書き手をより幅広い読者層に届ける(リソルツ自身もWaPoやブルームバーグに書いてそれを体感した)。
- 人々は自分に嘘を付く
- 認知的不協和の問題。
- 読者にとって良い情報と馬鹿げた戯言を区別するのは難しい
- オンラインに情報が溢れていても、馬鹿げた考えや誤りであることが証明されたミームに人々は囚われる。