クリスティーナ・ローマー対ジョン・テイラー

昨日に続きテイラーネタだが、3年前のエントリで、テイラーが「今春(=2008年春)の戻し減税は効果が無かったことを示す図」を提示したことに触れた。
そのテイラーの図を、クリスティーナ・ローマーが先月初めの講演で批判している(H/T Mostly Economics*1)。


ローマーの批判内容は以下の2つの図に集約される。


即ち、テイラーは資産の落ち込みを考慮していなかった、というものである。消費は所得だけでなく資産にも影響を受けるので、その点を考慮しないのは除外変数バイアスがある、というわけだ。


それに対しテイラーは、自分は資産のみならず原油価格まで考慮して分析した、と反論し、今のところ議論はそこで終わっているようである。

*1:Mostly Economicsがリンクしているように、クルーグマンも取り上げた。なお、メンジー・チンは両者の意見の違いを枕に持ってきたエントリで、恒常所得はサービス支出に、資産効果は耐久財支出に効く、という考察を(Mian et alの論文などを引きながら)示している。