米レストランの興味深い生産性の急上昇

というNBER論文をオースタン・グールズビーらが上げている(H/T タイラー・コーエンungated版)。原題は「The Curious Surge of Productivity in U.S. Restaurants」で、著者はAustan Goolsbee(シカゴ連銀総裁)、Chad Syverson(シカゴ大)、Rebecca Goldgof(NYU)、Joe Tatarka(シカゴ大)。
以下はその結論部。

Restaurants experienced a persistent surge in productivity coming out of COVID that contrasted strongly to the multi-decade productivity stagnation that preceded it. Micro data on consumers suggests that this surge was strongly correlated with the rise in take-out and delivery customers staying only a short time in the restaurant.
This striking result of a one-time surge in the level of productivity where the “technology” of customer demand may have changed during COVID calls for future research into other industries that may have experienced similar bursts of service-sector productivity.
(拙訳)
レストランはコロナ禍を経て継続的な生産性の急上昇をみせたが、そのことは、それ以前の数十年に亘る生産性の停滞と極めて対照的なものだった。消費者のミクロデータが示すところによれば、この急上昇は、レストランに短時間しか滞在しないテイクアウトと宅配の顧客が増加したことと強く相関していた。
コロナ禍期に顧客の需要の「技術」が変化したというこの生産性水準の一度だけの急上昇という驚くべき結果は、サービス部門の生産性で同様の急上昇をみせた他の産業について、今後の研究の必要性を迫るものである。

コロナ禍期のレストランの生産性の上昇は15%で、多くの状況がコロナ禍前の水準に戻った後も、この上昇は継続したとのこと。原因の追究は10万人以上の携帯電話のデータを用いて行われたが、規模の経済、市場支配力の増大、コロナ禍が直接的にもたらした需要変動では説明できず、10分以下しか店舗に滞在しない顧客の割合の増加と特に強い相関がみられたとの由。滞在時間の短縮化でサンプルの生産性上昇はほぼ説明できたという。
海外と比べて日本の飲食店の生産性が低いということが指摘されて久しいが、同様の傾向がみられたかどうか興味が持たれるところである。