マンキュー「パンデミックに寄せて」

マンキューが「Thoughts on the Pandemic」というブログ記事を上げ、箇条書きで以下のようなことを述べている。

  • 景気後退の可能性は高く、おそらくそれが最適である(望ましい、という意味ではなく、この状況下で我々ができる最善の行動という意味で)。
  • 医療危機の緩和が最優先課題。ファウチ博士が要求するものはすべて与えよ。
  • 財政当局は総需要ではなく社会保険に重点を置くべし。ファイナンシャル・プランナーは、6ヶ月の生活費を予備費として確保しておけ、と人々に説くが、残念ながら、多くの人がそうしていない。本当に困っている人を特定するのが難しいこと、およびそうした特定に付き纏う問題を考えると、手始めにすべての米国人に1000ドルの小切手を可能な限り早急に送るのが良いだろう。この状況下では給与税減税にはあまり意味はない。というのは、働けない人には何ら恩恵がないからである。
  • 政府債務の拡大を懸念すべき時はあるが、今はその時ではない。
  • 外部性は大きい。人々の現下の経済的困難に対して手を差し伸べれば、家に留まる人が増え、ウィルスの拡散が抑えられる。言い換えれば、社会保険の公平性だけでなく効率性の面でも実施の根拠がある。
  • 金融政策は流動性の維持に重点を置くべし。FRB金利設定者としての役割は最後の貸し手としての役割ほど重要ではない。ドッド=フランク法によって手が縛られ過ぎている、とFRBが考えるならば、議会はすぐにその束縛を解くべきである。
  • トランプ大統領はその減らず口を閉じろ。彼は、自分が何を話しているか分かっている人の意見に従うべきだ。残念ながら、そうはなりそうもないが。