とジャスティン・フォックスが書いている(H/T Economist's View)。
そのエントリの後半でフォックスは、格差がもたらす問題に関する以下の4つの理論を紹介している。
- 上位1%への富の集中はバブルとその崩壊の頻発につながる
- 極端な富は政治過程を腐敗させる
- 所得格差は経済全体の成長を鈍化させる
- 所得の限界効用の逓減を考えると、超富裕層がこれほど多くの所得を得ていることは大いなる無駄である
しかし、これらの議論には反論や反証が存在し、Chettyらの新しい大掛かりな研究(cf. ここ)もその雌雄を決するのにはあまり役に立ちそうにない、とフォックスは言う。
そのことから、フォックスは以下の結論を導き出している。
Which leads me to another theory: I think we’re eventually going to have to figure out what if anything to do about exploding high-end incomes without clear guidance from the economists. This is a discussion where political and moral considerations may end up predominating. And as Harvard’s Greg Mankiw made clear in his maddeningly inconclusive Journal of Economic Perspectives essay on inequality last summer, these are areas in which economists possess no comparative advantage.
(拙訳)
以上のことから、私は新たな理論に辿り着いた。思うに我々は、富裕層の所得の爆発的な上昇をどうすべきかという点について、最後は経済学者からの明確な導き無しで答えを出さなくてはならない。この議論では、最終的には政治や道徳面の話が優先されるだろう。そして、ハーバードのグレッグ・マンキューが苛々するほど煮え切らない格差に関する昨夏のJEPエッセイ*1で明らかにしたように、この分野は経済学者が比較優位を持たない分野なのだ。