昨日二重の意味で炎上騒ぎがあった新幹線のグリーン車の問題を表題の経済学的問題として考えられないかと無い知恵を絞って素人なりに頭を捻ってみたのでメモ。
- 運行遅れなどの外部ショックが加わった状態
- 対価が変化していないにも関わらず、外部ショックによって均衡が崩れ、相対的にグリーン車乗客の得る効用が高まった
…換言すれば、窮屈な状況の悪化および長時間化によって、普通車のグリーン車に比べた不効用が当初の想定(均衡状態)より高まった
●均衡を取り戻す方策
- グリーン車の効用が相対的に上昇したのだから、それに見合って対価を上昇させる
- 対価をそのままにして、拡大したグリーン車と普通車との効用の格差を縮小する
- 有田策:空き席を普通車乗客に開放
- 優先順位の問題
…立っている弱者(お年寄り、子供)優先 - 普通車側は混雑度緩和で不効用が減少、グリーン車側は混雑度拡大で効用が減少
…狙い通り、効用の格差は縮小 - ただ、空き席という遊休設備を活用して座れる人を増やすので、“死荷重”の減少により電車内の総余剰は上昇すると考えられる
- 優先順位の問題
- 問題:
- 有田策:空き席を普通車乗客に開放
●そもそも均衡を取り戻す役割をJR東海が担うべきなのか?
- 私企業なのでそこまでする謂われはない、という議論もあるが、サービス(の格差)と対価との関係が崩れてしまったのだからまさに私企業の営利事業の範囲内の問題であり、いわばBCPの問題、という見方も出来るかも?
●均衡を取り戻すべきとして、どの程度の大きさの外部ショックが加われば均衡を取り戻す方策を発動すべきか?
- 仮に新幹線がどこかのトンネルに閉じ込められて数日間立ち往生という事態であれば、空き席の活用に異議を唱える人はあまりいないだろう。しかし、今回のように数時間の遅れの範囲内であれば、価格秩序を崩してそこまでの手間を掛けてすることではない、と反対者が多くなる。