テストステロンが男女の賃金差をもたらしているのか?

という点について調べた論文「Testosterone and the gender wage gap」をEconomic Logicが紹介している
以下はその紹介の概要。

  • 男女の賃金差は他の条件が等しいという形で測定されなければならない。しかし、テストステロンが労働者の生産性を向上させ、それが男女の賃金差をもたらしているのだとしたら、その測定は難しい。
  • Anne Gielen, Jessica Holmes and Caitlin Myers*1は双子を使ってその困難を回避した。双子の兄弟がいる女性は、女性同士の双子よりテストステロンに曝される。双子の姉妹がいる男性は、男性同士の双子よりテストステロンに曝されることが少ない。
  • オランダの80,000の双子のデータを用いて調べたところ、テストステロン水準の代理変数は男性の時間当たり賃金に正の影響を与えていた。しかし、女性についてはそうではなかった。従って、新たに測定可能化したこの特性も、今も依然として残る男女の賃金差を説明できない。

*1:Gielenはエラスムス大学、他はミドルベリー大学。