ということを示す図をデビッド・ベックワースが提示している(データソースはミシガン大学/トムソン・ロイターの消費者調査)。
全般的な(=部分的なものに留まらない)期待名目所得上昇率の低下が消費支出を抑え、大不況につながった、というのはシカゴ連銀のMariacristina De Nardi, Eric French, and David Bensonが論じた点だが、この図はそれを裏付けている、とベックワースは言う。また彼は、このデータよると大平穏期の期待名目所得上昇率の平均は5.3%だったが、それを達成できなくなったことが実質債務の増大につながった、とも指摘する。
その上でベックワースは、今も続くこうした低下をFRBは防ぐことができるはずであり、それをしない/しなかったのは職務怠慢だ、と持説を強調している。
またベックワースは、コメント欄でのNick Roweのリクエストに応えて以下の2枚の図を追加している。
1枚目は名目GDP成長率と対比させたものであり、2枚目は平均と中位値を対比させたものである(最後の図は原系列を使用し、元の図を含めたそれ以外の2枚の図は3四半期の中心化移動平均を用いて平滑化したとの由)。
前者では期待名目所得上昇率は名目GDP上昇率に先行しているように見え、後者では平均と中位値の乖離は大不況まではほぼ一定だったが、その後縮小した、とベックワースは指摘している。