アセモグルって制度の歴史的要因を強調しすぎじゃね?

こちらのシンポジウムアンドレイ・シュライファーがコメントしたらしい(Mostly Economics経由のMatthew Kahn経由)。


このシンポジウムではアセモグルも講演したとのことだが、シュライファー講演はそれを受けたもののようである。彼は、制度の重要性についてはアセモグルに同意するとしながらも、アセモグルは
 経済→政治→持続的な均衡
という内生的な政治メカニズムに重きを置き過ぎているのではないか、と言う。
確かにそれは一つの重要な側面ではあるが、戦争、騒乱、革命、商品価格の変化といった外生的な要因も重要な役割を果たす、とシュライファーは指摘する。その例として、1945年の日本、1954年の韓国、1990年の東欧やロシアを彼は挙げている。
さらに彼は、近代化も重要な役割を果たす、と指摘し(その際にここで紹介した研究をその測定尺度として言及している)、それについては人的資本が鍵となる、と強調している。

また、アセモグルは歴史的要因を重視しているが、変化というものは急激に起き得るものである、ともシュライファーは指摘している。


Matthew Kahnは、ジョン・ベイツ・クラーク賞の受賞者同士が重要なテーマについて直接議論することは、経済学界(および世界の知識)に裨益するもの、とコメントしている。