Conversable Economistが、56のハイパーインフレの事例をまとめたケイトー研究所ワーキングペーパーを紹介している。論文の著者はジョンズ・ホプキンス大学のSteve H. HankeとNicholas Krusで、この論文ではハイパーインフレを月率50%超として定義している。
Conversable EconomistのTimothy Taylorは、この研究で目に付いた点として以下の4点を挙げている。
- 悪名高い1922-23年のドイツのハイパーインフレは、月次インフレ率の最高値のランキングでは5位に過ぎない。1位はハンガリーで、1946年7月に15時間おきに物価が倍になった。ジンバブエは2位で、2008年11月に25時間おきに物価が倍になった。
- 最古の事例は1795-1796年のフランス。1800年代にはハイパーインフレの事例は無い。
- リストアップされたハイパーインフレの多くは、第二次世界大戦後、もしくは1990年代初めのソ連邦崩壊後に起きた。
- Hanke and Krusは脚注で、もう一つの事例の追加を検討中、と記述している。それは最も直近の事例で、2009年12月から2011年1月に掛けての北朝鮮である。
ちなみに日本はリストに入っていない。ただし、日本の軍票に起因する1944年のフィリピンのハイパーインフレが50位に入っている。