日本が失敗国家だった時

6/24エントリでForeign Policyでのアセモグル=ロビンソンの失敗国家に関する論説を紹介したところ、日本も失敗国家として考えるべきでは、という趣旨のコメントやはてぶを頂いた。


ちなみにForeign Policyは失敗国家ランキングを出していることで有名だが、こちらのCNN日本語記事でも報じられている通り、最新のランキングでは、日本は昨年の164位から151位とランキングを上昇させている。Foreign Policyとこのランキングを共同で発表している平和基金会(The Fund for Peace)では、日本についての分析記事を一つ立てており、悪化の原因を震災に帰している。


それに対し、アセモグル=ロビンソンが取り上げた十事例のうち、現在のケースである8つの国のランキングは以下の通り:

北朝鮮 22位
ウズベキスタン 39位
エジプト 31位
ソマリア 1位
コロンビア 52位
ペルー 99位
ボリビア 62位
シエラレオネ 31位


また、さらにちなみにであるが、「failed state japan」でぐぐってみると、実際に日本が失敗国家だった時の状態を、5年連続でランキング1位を続けているソマリアとの関連で論じたAEIコラムが引っ掛かる。そこでは、ソマリアの海賊を倭寇に準えて、こうした海賊問題が解決するのは失敗国家問題が解決した時であり、それまでは最強国家といえどもこの問題に対しては無力、と述べている。戦国時代の日本を失敗国家として捉えたり倭寇ソマリアの海賊と関連付けるという発想は小生には無かったので、このコラムの内容は個人的には新鮮だったが、ただ、「倭寇 ソマリア」でぐぐってみると、同様のことを考えた人は結構いるようである。