華麗なる曲線

最近、アラン・クルーガーCEA委員長の格差に関するスピーチ(+スライド*1ブルッキングス研究所のScott Winshipが文句を付け*2、それにノアピニオン氏ジャスティン・ウルファーズが反論する、という一幕があった(Winshipの再反論はこちら)。


その中で一つ話題になったのが、クルーガーが「Great Gatsby curve」と名付けたグラフで、クルーグマンもそのグラフに反応している。このグラフの元の作者はオタワ大学のMiles Corakだが、彼もこの論戦に参戦しており、自ブログに関連エントリ(ここここここここ)を上げている(Corakに対するWinshipの反論はこちら)。

その最も直近のエントリでCorakは、一枚の図は千語に値する、として以下のグラフを掲げている。

横軸が格差(ジニ係数)、縦軸が親子間の所得の関係を表わす弾性値である。国別のクロスセクションの散布図で、両者の間に明確な関係が読み取れる(=格差と所得階層の固定化は相関している)、というのがCorakの主張である。


ちなみにクルーガーがスピーチで用いた図はこちら。

この元の図に比べて対象国を増やし、より直近のデータを用いた上の図でも右上がりの関係が見られる、という点をCorakは強調している。

*1:講演の主催者のCenter for American Progressの関連ページはこちら

*2:タイラー・コーエンがそのWinship記事を称賛している