AEA年次大会とスタトレ大会

昨日ティーブ・ワルドマンのエントリを紹介したが、続くエントリでまた面白いことを書いているので、以下に紹介する。

This was the first time I’d attended an economics conference. But in my early adolescence, I did frequent another sort of hotel-bound gathering, and the resemblance was uncanny. The AEA is basically a Star Trek convention in suits. It’s a gathering of the same sort of geeks. The same combination of earnestness and awkwardness marks off and distinguishes the attendees from normal business travelers. Star Trek conventions have their celebrities, here’s George Takei, there’s Nichelle Nichols. The AEA has its celebrities as well: the Nobelists, the famous economists from Chicago, Harvard, and MIT whose papers you have read (or you pretend to have read). Like a kid at a Star Trek convention, I had great fun at the meetings. Still, there were undercurrents that made this affair feel less innocent — so many PhD students nervously interviewing for jobs; the networking and earnest introductions; the faint, polite stench of status competition. At a Star Trek convention, everyone wants to meet George Takei. No one is trying to become him.


(拙訳)
私が経済学の大会というものに出席したのは今回が初めてだった。しかしティーンエイジャーの頃には、ホテルを会場とした別の種類の集会に足繁く通っていた。そして、両者の類似性は驚くほどだった。米国経済学会の年次総会は、基本的に、スーツを着用したスタートレック大会である。どちらもある種のギークの集まりだ。真剣さとぎこちなさの組み合わせが双方の出席者に共通しており、それが彼らを通常のビジネスの出張旅行者と区別する特徴となっている。スタートレック大会のセレブと言えば、ジョージ・タケイであり、ニシェル・ニコルズだ。米国経済学会にもセレブがいる:ノーベル賞受賞者や、その論文をあなたも読んだであろう(あるいは読んだふりをしたであろう)シカゴやハーバードやMITの著名経済学者だ。スタートレック大会での少年のように、私もこの大会を大いに楽しんだ。ただ、この大会には、スタートレック大会ほど無邪気には受け止めきれない伏流も存在していた――数多くのPhDの学生が緊張して就職の面接に臨んでいたほか、人脈作りや熱心な紹介、隠微で慇懃なステイタス争いの臭い、といったものが見られた。スタートレック大会では、皆がジョージ・タケイに会いたがったが、彼になろうとする者は一人もいなかった。


またワルドマンは、スコット・サムナーと昼食を共にしたのがこの大会のハイライトであったと述べ*1、エントリの残りでは彼の理論について論じている。

ちなみにサムナーも1/12ブログエントリでそのワルドマンとの昼食について触れ、彼のファイナンスに関する博識ぶりに舌を巻いたと書いている。小生はこれまでワルドマンのことを、そのやや晦渋な文章と金融に関する造詣の深さから、実務界で一儲けした後に半ば隠遁生活を送っている中年男性だろうと勝手に想像していたので、サムナーの「young blogger...merely a grad student at Kentucky」という描写を読んで些か驚いた*2

*1:他にScott Wentlandが同席したとの由。

*2:ぐぐってみると1年前のインタビューも見つかったが、そこには「I actually began as a Java programmer interested in collaborative decision-making as a technical question.」と書かれている。それから金融市場に惹かれていったとの由。